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新卒でシンガポール就職!100%の英語力よりも、120%の行動力がグローバルキャリアを加速する(kourinさん)―後編―

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※この記事は、GAOGAOの自社メディア「CREATOR HUB」に2020年9月23日 に公開されたインタビュー記事を転載したものです。

前編後編の2回に分けてお届けしています。

前編をお読みでない方は、まずコチラからご覧ください。

―お話を聞いていると、とても充実したスタートアップ生活だったことが想像できます。それだけkourinさんにとって海外で働くことが魅力的だという証拠だと思います。実際に海外で働いてみて、ポジティヴに感じていることは何ですか?

スタートアップ企業で働いていた時のことをお話ししたいと思います。大きく分けて4つあります。

まず1つ目は、新人でも、いきなり一人前のエンジニアとして仕事を任せてもらえる環境があるということです。

海外は、日本のように一括採用もなければ、丁寧な研修プログラムもありません。特に、私が働いていたようなスタートアップ企業なら、なおさらです。

私も入社して初日から、これをやってと案件を渡されてスタートしました。先ほどもお話した通り、同僚の専門はバックエンドでしたので、誰も教えてくれません。自分で調べてトライ&エラーを繰り返しながら進めていきました。その当時、入社してから2,3か月後には2,3個の新しい機能を追加しなければならず、毎月1つは新しい機能を開発しているような状態でした。

でも、これが私にとってはとても良かったんです。日々、新しいこと、分からないことの連続で、一つ一つのスキルを自分で学んで自分のモノにしていく。自己成長が感じられて、働いていてとても楽しかったですね。

続いて2つ目は、フラットな職場環境です。

私が働いていたエンジニアチームで見れば、全く上下関係がありませんでした。年齢や入社時期などで先輩・後輩関係になることはなく、いい意味で干渉し合わないので、社内の人付き合いが楽でしたね。これは、オフィスにいたエンジニアの多くが20代前半と、自分と年齢が近かったのも大きな要因だと思います。

そして3つ目は、残業をしない文化です。

私の勤めていた会社は18時が終業時間だったのですが、スタッフのほとんどが18時きっかりに帰っていました。それに対して、朝は結構ルーズで。(笑)9時スタートなのに9時半に来たり、10時に来たり。自分の仕事をしていれば問題ない、という社風で時間に縛られず働けたのは良かったですね。

このように、基本的には残業はしないのですが、チームのほかのエンジニアが残業していたら、助け合うようなところもありました。冷たい人よりも温かい人が多い、とてもフレンドリーな職場でしたね。

最後4つ目は、社内イベントが多くあったことです。

ハロウィンなど、季節ごとにイベントがあり、会社のスタッフと交友を深められる環境が整っていました。そのほか、有難いことに、スタッフの冠婚葬祭にも呼んでいただきました。シンガポールの冠婚葬祭シーンでは、日本のようにフォーマルな服装ではなく、もっとカジュアルでラフな服装で良いなど、文化の違いを肌で感じられたのも良い経験でした。

また、社内にはフランス人、インドネシア人、ベトナム人など、多国籍のメンバーが在籍していて、業務の合間のフリータイムで異文化交流できたのも楽しかったですね。

―とても楽しまれていた様子が目に浮かびます。逆に、ネガティヴに感じていることはありますか?

正直ないですね。

ちょっと趣旨と違うかもしれませんが、新卒で海外就職するのは大変だったなと思います。

そもそも、海外では卒業してすぐに就職しない人が多いですよね。大学在学中だけでなく、卒業後もインターンシップを通して経験を積み、その後にフルタイムの仕事を得るのが一般的です。

それに、シンガポールの場合、2年間の徴兵制度があります。シンガポール人男性の国民は、18歳頃に軍隊に呼ばれ、トレーニングを受ける必要があるんです。そのため、どうしても就職する年齢が日本の一般的なそれよりも遅くなりがちです。

特に、エンジニアのようにスキルを元に働く職種は、実績や経歴を求められます。だから、シンガポール人エンジニアは、実績作りのためにも3,4社とインターンシップを経験しています。日本人で、シンガポールで働きたい方の場合には、自分の実績づくりをしておくことは大切だと思います。

―実体験に基づくご意見、ありがとうございます。では、kourinさんは今後、どういったキャリアを築いていきたいと思っていますか?

まず、日本に戻って働くイメージはありません。

直近の目標としては、フリーランスとして、自分の名前で仕事が取れるようになることです。ここ数年は個の力を高めて、日系企業だけでなく、外資系企業の仕事を取れるようにしていきたいです。

また、ずっと興味のあるブロックチェーンに関する知識とスキルを蓄え、ブロックチェーン関連で受注できる仕事の幅を広げていきたいです。

また2,3年後には、どこかの国のスタートアップ企業に就職していたいなと思っています。自分にはスタートアップ企業が合っていると感じているからです。

でも、大企業で働いたことがないので、比較ができません。なので、機会があれば5年、10年後くらいに大企業でも働いてみたいと思っています。何事も毛嫌いせず、経験していきたいですね。

私は、海外の方が日本よりも住みやすいと感じています。それに、出来れば海外にいて、海外の仕事を請け負っていきたいという思いもあります。なので、今後も海外には住み続けるつもりです。

―ありがとうございます。それでは最後に、海外で働きたいと考えているエンジニアに対して、メッセージをお願いします。

まずは、海外で働くことに挑戦してみてほしいと思っています。

私も経験があるので分かるのですが、最初の一歩目が大変なんですよね。でも、その一歩目で海外に出られたら、後は簡単です。一度海外に出て生活すると、それが自分にとってのスタンダードになるんですね。海外で働く、生活するという環境に慣れていくんです。

海外で働いてみて、ポジティヴな印象しかないとお話しましたが、もちろん苦い経験もあります。でも、これは決してネガティヴではありません、重要な経験だと思っています。そんな苦い経験があるからこそ、改善して、進化していけるのだと思います。

また、日本にいるうちに出来ることもたくさんあります

例えば、英文履歴書を作ることもそうです。私もそうでしたが、日本にいて、英文履歴書を作る機会なんてないですよね。

日本の履歴書と比べると、フォーマットが定まっておらず、自分を最大限にプレゼンする能力が求められるので、最初は難しいと感じると思います。ただ、自分なりに調べていくと、書き方の例なども出てくるので、それを参考にすると良いと思います。

あとは、自分で自分をプレゼン出来るようにしておくことも大切です。

例えば私の場合、求められてはいませんでしたが、前職で面接を受けるときにプレゼン資料を作っていきました。職歴はありませんでしたが、これまでの経歴として、自分が作ったアプリケーションなんかをアピールしました。このように、自分で作ったサービスやアプリなど、自分のスキルを証明できるものを作っておくことはおススメです。

そうやって英文レジュメ、自分の実績、自己PRプレゼンなどを用意したら、Webサービスを通じて、めぼしい企業にコンタクトを取ってみるといいと思います。私のように、LinkedInで探すのも一つの手ですね。

と、こんな風に言っていますが、私の反省からきているところもあります。

私は当たって砕けろ精神でやってしまいましたが、日本でもっと準備できたことがあると思うのです。だからこそ、こうやってこの記事を読んでくださった皆さんには、是非、今の海外に出づらい状況を逆手にとって、日本で出来る準備をして挑んでいただけたらなと思っています

あとは、過度に英語の心配をしなくても良いと思っています。私の肌感覚ですが、日本でする英語の勉強と、現地で使う英語は違うと思っています。

知識としての英語ではなく、コミュニケーションとしての英語を習得するのが重要です。私の場合は、思い切って英語環境に飛び込み、英語を使っていくうちに身に付けていきました。この私の経験からも、英語は実践での学びが必要だと思っています。

また、エンジニアはchatメインで英語を使うことも多いです。なので、がっつりスピーキング力を要求される機会は少ないと感じています。読み書きがある程度できるのなら、さほど問題はないと思います。特に、シンガポール人は英語がネイティヴなので、私たちの話を理解しようと一生懸命聞いてくれます。これに甘えてはいけませんが、そんなやり取りの中で成長していけると思います。

皆さんの最初の一歩を応援しています

 

編集後記

20代前半と若いながら、しっかりとご自身の意見を持っていらしたkourinさん。柔らかな雰囲気、話し方とは裏腹に、強く太い芯を感じました。

新卒で海外に行くと決め、それを実行・実現する行動力。そして、今の自分に足りないスキルや経験をまっすぐに見つめ直し、居心地の良い職場を離れてでも挑戦する姿。自分の目標に対して貪欲に進んでいく姿は、とても凛としていました。

また、今後どうのようにブロックチェーンと関わっていくのかも楽しみですね。

 


 

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