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エンジニアとして国内外、会社規模問わずに活躍してきた経験を活かし、オフショア開発案件で世界とつながる(システムアーキテクト・角田武士さん)―後編―

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※この記事は、GAOGAOの自社メディア「CREATOR HUB」に2020年11月18日 に公開されたインタビュー記事を転載したものです。

前編後編の2回に分けてお届けしています。

前編をお読みでない方は、コチラからご覧ください。

CTOとして働くことは、誰もが経験できることではありません。実際にインドネシアで働いてみてわかった、ポジティヴな側面としては、どのようなことが挙げられますか?

二つあると思っています。

まず一つ目は、言語や文化が異なる人と一緒に仕事を進めるためのスキルが身につくことです。

日本にいて外国の方と仕事をする場合には、外国の方が日本式の仕事の進め方に歩み寄ってきてくれる場合が多いのですよね。しかし、海外ではそうはいきません。

こちらが先方の国、文化の中に入って仕事をさせてもらうので、一方的に日本式の仕事の進め方を押し付けるのはお門違いです。ただし、“日本人”として派遣されていることも、忘れてはなりません。その国での働き方と日本式の働き方の良いバランスを見つけることが重要だと思います。

続いて二つ目は、日本式の仕事の進め方を客観的に見られるようになることです。

日本では当然のことが海外では違ったり、逆に日本特有の問題だと思っていたことが海外でも同じだったりしました。

例えば、日本と違った点で言うと、日本人は仕事の進め方において、計画を立てることを重要視していますが、海外では計画を立てたところで予定通りに進むことが少ないため、それほど重要視されていません。そのため、計画を立てたとしても、仕事を進めていく中で軌道修正する必要が出てきます。

現地で働く日本人の中には、思ったように仕事が進まないことがストレスとなり、疲れてしまう人も見受けられました。一度立てた計画が変更になることを当たり前のこととして捉え、やりながら修正していく柔軟さを身に付ける必要があると感じました。

逆に、日本と同じ点で言うと、ミーティングにアジェンダを持って参加しなかったり、終了時間があいまいになっていたりする点が挙げられます。欧米などでは違うかもしれませんが、インドネシアでは、ミーティングをダラダラと続けてしまう傾向があることが分かりました。

また、インドネシアでも日本と同じように、開発者と企画者(営業側)の対立は起きていました。この対立関係に文化や国の違いといったことは関係なく、エンジニアとビジネスマンという職種の違いが生み出す対立であるということも理解できましたね。

―なるほど、私も海外で働きましたが、気付いていなかった興味深い視点です。では逆に、インドネシアで働いてみてネガティヴに感じている点はありますか?

こちらについても、二つ感じていることがあります。

一つ目が、海外で働くこと自体が目的である場合は良いのですが、その経験を活かしてキャリアアップしたいと考えている場合には、相当の努力や計画が必要だという点です。

私の場合、インドネシア後のキャリアを考えた時に、駐在員時代より収入を増やす方法として、日本に戻って独立することしか思いつきませんでした。同じように東南アジアで働いていた人のその後を見ても、海外や働いていた国とは関係のない分野でチャレンジしているケースも多く見かけます。

これが良い悪いということではありません。ただ、海外で働きたいと思っている人は、海外で働くこと自体が目的なのか、海外で経験を積んでキャリアアップすることが目的なのかを整理し、そのためにベストなキャリア選択を行ってもらえればと思っています。

二つ目は、特に東南アジアで働く場合なのですが、相当意識しないと技術力を高めるのは難しいという点です。

なぜかと言うと、日本人エンジニアは現地のエンジニアを指導する立場になることが多く、周囲の人から技術的な学びを得られる機会が少ないからです。そのため、意識的に勉強しないと技術力を高めることは難しいと言えます。

例えば、社交的で言語にも問題のない方だと、現地のテックコミュニティーに入るなどして、現地エンジニアから学びや刺激を得続けることができると思いますが、そうでない場合には、日本にいたとき以上に貪欲に、自ら学ぶ姿勢が求められます

そんな環境ということもあって、一度海外に出たエンジニアでも、成長が見込めずに帰国してしまうケースもあるようです。

エンジニア経営者として、東南アジアでソフトウェア 開発会社を作る

―具体的にお話しいただき、ありがとうございます。海外へ挑戦する際には、自分が今後どうなりたいのかを、今一度考えることも大切ですね。続いて、角田さんの今後の展望についてお聞かせいただきたく思います

これからは、海外で事業を作れるエンジニア経営者になりたいと思っています。

現在は、フリーランスとして、クライアント企業のオフショア開発案件のPM(プロジェクト・マネージャー)業務などを担当しています。将来的には、それらの案件を自分が立ち上げた東南アジアの開発会社で請け負っていきたいと考えています。

ご縁のあったインドネシアでできればいいですが、特にインドネシアには限定していません。というのも、インドネシアは大学の学部編成の関係もあり、エンジニアが輩出されづらい、採用しづらい国だからです。

それに比べると、やはりベトナムは魅力的です。私の肌感覚では、日系企業の8~9割のオフショア先が、ベトナムとなっています。現在抱えているオフショア案件もベトナムです。どこでやるかについては、今後じっくり考えていきたいと思っています。

―それでは最後に、これから海外で活躍したいと思っているエンジニアに向けて、一言お願い致します。また、英語力向上に関して、何かアドバイスいただけると幸いです。

今は、新型コロナウイルスの影響により、海外で働くための直接的なアクションが取れず、鬱々とした気持ちを抱えている方も多いと思います。

ですが、そんな動けない状況を逆に生かして、ストイックに技術や語学を学び、スキルを高めておくと良いと思います。ここでやった人と、やらなかった人とでは、後々大きな差がつきます。諦めずに続けてもらえればと思います。

英語勉強法についてですが、これはその人の状況によって大きく異なるため、ここで詳しくアドバイスすることは控えたいと思います。ただ、一つアドバイスできるとすれば、常に英語でのアウトプットを意識して勉強することでしょうか。

例えば、英語の単語や文章を日本語に翻訳するのでは、英語を使えるようになるまでに時間がかかってしまいます。なぜなら、実際に英語を使う場面では、英語でのアウトプットが求められるからです。

なので、日本語の単語や文章を英語に翻訳しながら勉強することをおススメします。話すにしろ書くにしろ、英語でのアウトプットを意識することで、使える英語が身についていくと思います。

皆さんの挑戦を、応援しています!

編集後記

幼少期から興味のあったプログラミング、そして言語を活かして、角田さんらしいキャリアを形成していることが印象的でした。

ベンチャーと大手どちらの働き方も経験していることに加え、日本とインドネシアなど国内外での働き方を熟知しているからこそ、様々な規模感のオフショア案件を担当できるのだと思いました。また、海外就労を経験したからこそわかる、想像ではない経験からくる的確な仕事は、クライアントからの高い評価に結び付いていると感じました。

今後は、ご縁のあったインドネシアなのか、今仕事をしているベトナムなのか、はたまた全く予想もしていなかった新しい国なのか。角田さんの東南アジアでの活躍が楽しみです。


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